映画『スクールオブロック』なぜあの4人だったのか?(考察と感想)

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ここからは一部に作品のネタバレになるような内容を含みます。そのため、鑑賞後に読んでいただくことを推奨します。

考察と感想

なぜあの4人だったのか?

学校の保護者会の日。教室には主人公のデューイと生徒たち、そして保護者全員が揃っている。そんな中で、実はデューイが教師ではないことがばれてしまう。そして、もう警備員に教室から連れ出されそうになった時、最後に彼が話したのは何だったか。それは生徒を褒めることでした。

褒めた生徒は全部で4人。なぜこの4人だったんでしょうか。この4人はそれぞれ違う役割を担当していた生徒です。バンドメンバー、コーラス、マネージャー、スタッフ。つまりデューイは自分がやりたかった、出場したかった大会に出るためにバンドを結成したんですが、そのバンドのメンバーだけじゃなくて、すべての生徒にちゃんと目を配っていたっていうのがここでわかります。

もちろん全員言えたらよかったんですけど、そんな時間はなかったので、それぞれの役割の代表的な人物を1人ずつ挙げて保護者に向かって彼ら彼女らの良い点について述べたのでした。映画の冒頭、彼はすごい独りよがりなギタープレイヤーだった。周りが全然見えていない。見ようともしていなかった。だけど子供たちと接することを通じて、彼は変わった。視野が広くなったし、周りの人に対しての気遣いもできるようになっていった。誠実さも増し、子供たちを守ろうとする。そういうまるで良い教師みたいなところも見られるように。そうした彼の変化がこの4人を指名して褒めるという言動に現れたんじゃないでしょうか。

感想

面白かったです。特に印象的だったのはやっぱり最初と最後ですね。最初と最後の対比です。考察でも少し触れましたが、最初、ロックバンドの一員としてライブハウスか、ライブハウスの低いステージの上、スポットライトの下、リードギターコーラス担当でしょうか。まあ明らかに1人よがりなギターソロで、バンドメンバーもお客さんも引いているというような状況。

でも、そんな状況にもデューイは気づかず、自分に酔ったプレイを延々と続け、しまいには、客席側に向かってダイブ。しかし、誰も受け止めてはくれず、地面に叩きつけられる。

そんな男が、あの学校での生徒たちとのバンド活動の日々を経て、いろいろなピンチを乗り越え、最終ステージ。ひとりひとりの生徒たちの特徴を最大限いかそうと努め、その中で自分に何ができるかを考え、演奏中は気持ちよさそうに音楽に身を委ねるデューイ。そして、最初の場面と同じように客席にダイブ。最初の場面では地面に叩きつけられましたが、今度はたくさんの観客に支えられ大成功。彼も笑顔です。

生徒たちの頑張りや彼と生徒たちとのやりとりとか、いろいろ面白かったですけど、ある種、これはデューイの成長の物語と見ても、すごく気持ちの良い話になっていたかなぁと思います。

映画『スクールオブロック』感想のための引用
© 2003 Paramount Pictures.

デューイ先生から学んだ教師11カ条

  1. 生徒を採点しない
  2. 目標を立てる
  3. 役割を与える
  4. 重要感を持たせる
  5. 適宜、自分の考えを伝える
  6. 目標に向けての行動それ自体を楽しませる
  7. 手本を示す
  8. 生徒に驚く
  9. 生徒を励ます
  10. 相談にはすぐ応じる
  11. 生徒を守る

次に鑑賞するなら

楽曲:怒髪天「オトナノススメ~35th 愛されSP~」

ひとこと作品紹介

1曲の中にドラマー6名、ベーシスト6名、ギタリスト13名、ヴォーカリスト&コーラスあわせて総勢220名が参加!

おすすめポイント
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