前回は『劇場版 きのう何食べた?』を扱いましたが、今回は映画『さかなのこ』についてです。それではいきましょう。
目次
作品紹介とおすすめポイント
ひとこと作品紹介
お魚好きな小学生のミー坊が歩む、「好き」の日々を描いた、笑って泣けるフィッシュ?ヒューマン?ドラマ。
こんなあなたにおすすめかも
好きなことに迷いがある。好きを追求したい。絵本っぽい話が好き。さかなクンが好き。ここではないどこかへ行きたい。沖田修一監督が好き。柳楽優弥の演技を堪能したい。ちょっと不思議な話が観たい。母の無償の愛が欲しい。クスッと笑いたい。
レビュー
ここからは一部に作品のネタバレになるような内容を含みます。そのため、鑑賞後に読んでいただくことを推奨します。
感想
沖田修一作品の魅力
いやーすごい良い映画でした。やっぱり沖田修一監督は最高です。監督の映画は何かこうー映像撮ってるなっていう感じではなくて、新しいこういう世界もあるんだっていうの見せてくれているようなところがすごく好きですね。つくりものだけど、つくりものではない感じ。
後は小ネタも結構効いてて、ふっと笑えるシーンなんかもたくさんあって面白いです。それを映像で見せてくれる。実際ある話を要約しちゃうと、そんなに個性的な作品という感じはしなくなるんですけど、実際作品を見てるともうこれはこういう世界があるんだなっていう、独特の時間が流れてる、ような感じがしますね。
やっぱりそういう作品は見てて没頭できるし、すごく楽しいですね。
柳楽優弥
キャストの皆さんも全員素晴らしかったですね。もう皆さんはまり役という感じで。
そんな中でも、柳さんが演じていたヒヨなんかはもう素晴らしかったですね。勉強してるシーンであったりとか、試験の結果が出たときのリアクションであったりとか、後は女性とミー坊と3人で食事をしたときのあの雰囲気とかもう素晴らしかったですね。すごく感情が伝わる響く演技だったなぁと思いますし、あのキャラクターをすごくやっぱり好きになりますよね。愛らしく感じますね。
良いお付き合いには壁が必要?
作品の冒頭で水槽が出てくるんですよ。で、ミー坊が魚に餌をあげるシーンがあって、そのときふと、間に水槽みたいな壁があるほうがお互い良い付き合いができるって言う考え方もあるよなあと思ったんですね。つまり魚とコミュニケーションというか、関わり合うときに、それこそ海の中に入っちゃったら、まず人間は呼吸ができないし、かといって、空気で満ちた人間の世界に魚を連れ込んじゃったら、魚は死んじゃうし、なんでしょうね、適切な壁、ここでは水槽ですね、水槽みたいなのがあった方がお互いにとっていいってこともあるよなあ。でもちょっと寂しい考え方かもしれないなあなんてこと思いながら映画を観てたんです。
そしたらもうね、冒頭5分ぐらいで関係なかったですね。壁なんて2回かな?そういうシーンがあったかと思うんですけど、まぁほんとにそんなの関係ねぇという感じで、それこそ冒頭に出てきた言葉に通じるところもあったと思うんですが、もう壁なんか超えちゃうんだなぁって言うそこが清々しいところでしたね。直接作品のあらすじとかとは関係がないんですが、やられたなぁって感じたところでした。
音声版
関連アイテム
『さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!』さかなクン(著)
こんな方におすすめかも
- 『さかなのこ』面白かった!
- 原作があるなら読んでみたい。
- さかなクンについてもっと知りたい。
次に鑑賞するなら
Audible『板上に咲く』原田マハ 朗読:渡辺えり
ひとこと作品紹介
版画家、棟方志功の生きざまに迫る感動のアート小説。
おすすめポイント
- 魚が大好きなミー坊のように版画にかける棟方志功の生きざまに触れることができる。
- 渡辺えりさんの朗読が抜群にいい。
※下記リンクで「板上に咲く」と検索すると、サンプルが聴けます。
映画「ビッグ」
ひとこと作品紹介
トムハンクス主演で、早く成長したい少年が突然大人になって大人の世界に飛び込むコメディードラマ。
おすすめポイント
- 見た目は大人の子どもの行動に少しミー坊と重なる部分もあり、クスッと笑える。
- 子どもの視点から大人社会を捉える新鮮さを味わえる。
- 主人公がやりたいことを叶えるワクワクを堪能できる。