漫画『スキップとローファー』の感想や解釈を綴っています。アニメの感想はこちら。
あらすじ
高校入学を機に地方から上京した岩倉美津未は、勉強こそできるものの、慣れない生活にハプニングの連続。そんな中でも、持ち前の前向きさで、周囲の人間を巻き込みながら状況を変えていく。公式サイトはこちら。
感想
ここからは一部に作品のネタバレになるような内容を含みます。そのため、鑑賞後に読んでいただくことを推奨します。
10巻
好きな場面
今回もスキロー面白かったですね。僕は特に「Scene55 ドキドキの海<5>」が好きでした。
みつみの友人であるミカが、みつみの叔母(生物学的には男)のナオさんにこれまで誰にも言えなかったことを告げる場面。
その告げる場所は、ナオさんにとってとても記憶に残っている場所。あの心細い日々がリンクする。
ここは、ほんとに感動する場面ですね。
そして、希望が持てる場面でもある。自分が受けた痛みや辛さや不安定さというのはなんていうか、その時は自分だけって言う気持ちになっちゃうこともあるかと思うんですけど、
今回のナオさんみたいに、同じ気持ちを共有できる、寄り添ってくれる人がもしかしたら自分にもいるかもしれないと。
作者の意図
この作品について、作者の高松さんは、講談社漫画賞のスピーチで、「人生が後悔と喪失との戦いのように思えた時、そればかりではなかったと思わせてくれる友人のようなただ寄り添える作品になれたら幸せ」と話されています。(『スキップとローファー10』)
まさに先のミカとナオさんの場面は、作者の思いが反映されている場面じゃないかと思います。
それに、「スキップとローファー」は、ただ寄り添ってくれるだけじゃなく、読者の背中をそっと押してくれるような、前向きにさせてくれるようなそんな作品でもあるような気がしました。