前回は映画『カラオケ行こ!』についてでしたが、今回は漫画『ルックバック』について綴っていきます。あらすじ等については、公式サイトをご覧ください。それではいきましょう。
目次
作品解釈
藤野、京本、加害者の男。3人の共通点とは?
3人の共通点とは一体何でしょう。 1つ挙げるとするならば、3人とも、何かしらを創作する人(クリエイター)であることだと思います。
何かを創作していなければ、俺の作品をパクリやがったなと思うこともなかったでしょう。
ではそもそもあの3人は何がきっかけでクリエイトするようになったのでしょう。
創作に対する2つの動機
藤野はもともと漫画を描いていましたけど、一旦筆を止めましたよね。でもまた描こうと思ったのはなぜか。
それは自分を認めてくれる存在があったから。それが京本でしたね。自分が作り出したものを承認してくれる人がいること、それが創作を続ける動機の1つになっています。
藤野に関しては、京本の画力を認めている分、なおのこと嬉しかったでしょうね。あんなに絵のうまいやつが私に憧れているなんて!
では京本はどうだったか、京本の場合は憧れですね。藤野に対する憧れが自分も何かを描いてみたいという。そういう風に想像できるのではないでしょうか。
最後に、あの加害者の男はどうだったのでしょう。そこのところわからないですね。
ただおそらく彼も、何かに誰かに憧れて何かを描き始めたか、描いていたものを誰かが褒めてくれて承認された気持ちになって続けていたのかもしれません。
自己の承認や憧れによって彼女彼らは創作を始めたのでしょう。
しかし、悲劇は起こってしまいました。
藤野が最後にとった、たった1つの選択
この作品を振り返ると、創作することによってさまざまなことがありましたね。
良いことでいうと、藤野はまず漫画を描くことでクラスメイトから一目置かれていましたし、京本と会うこともできた。そして2人でかけがえのない日々を過ごすことも。漫画でお金を得ることもありましたね。
逆に良くないこともありました。藤野はクラスメイトや家族から漫画を描くことを馬鹿にされたり、蔑まれたりしていましたね。
そして、京本は絵を描くことで悲劇に見舞われた。また、加害者の男も何かを創作しようと思わなければ、怒りに任せてあんな行動をとらなかったかもしれません。
さて、あの事件をきっかけに、絶望した藤野は立ち止まってしまいます。これから自分はどうしていけばいいのか、そんな暗闇の中、彼女は一筋の光を見出します。
それは京本が自分の漫画に夢中になってくれていた思い出でした。
そして藤野は動き出します。彼女が選んだのは,,,
漫画『ルックバック』の最後の1コマに描かれていましたね。
創作することは決して、良いことばかりではない。最悪、人の生死にかかわることもある。
そんな中、藤野が見つけた光と選択に、人は心を打たれるのかもしれません。