前回は漫画『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』についてでしたが、今回は映画『BLUE GIANT』について綴っていきます。あらすじ等については、映画.comや公式サイトをご覧ください。それではいきましょう。
ここからは一部に作品のネタバレになるような内容を含みます。そのため、鑑賞後に読んでいただくことを推奨します。
目次
映画『BLUE GIANT』この作品が胸を熱くさせるのはなぜ?(感想)
作品としてのクオリティーの高さ
映画『BLUE GIANT』面白かったですね。というか、すごく目頭とか胸とか熱くなるようなアニメーション映画でした。
どこに熱くなったか。まずは映像と音楽のクオリティーがめちゃくちゃ高いっていうところですね。
音楽は世界的なジャズピアニスト、上原ひろみさんが担当されているので、まぁもうそれすごいよな。
映像は、まず漫画をアニメーション映画にするってことはとても難しいことだと思うんですね。
なんでかっていうと漫画の中で大小様々なコマ割りで表現していたものを1つの同じ大きさのフレームで表現しなきゃいけない。もちろんそれに加えて、動きも色もつく。空間と時間の在り方を考える必要がある。
つまり漫画として一度完成した表現を、アニメーション映画として新しく作らないといけない。再構築しないといけない。
それを見事にやってのけているように思いました。
演奏シーン
後は演奏シーンですね。演奏がめちゃくちゃ良くて、すごくいい音響で聴きたくなる。で、それだけじゃなくてそれにしっかり映像がついていっていて、アニメーションでそのすごい音楽を表現しようって、そういう熱意が伝わってきました。
そして、その合間合間に重なってくる登場人物3人の努力の証。何十回、何百回、何千回、何万回吹いた、叩いた、弾いた。そういったものを断片的に見せてくる。それがまた鑑賞しているものの心を熱くさせる。
映画『BLUE GIANT』-作品の主題のようなもの
作品全体として、自分が鑑賞して浮かび上がってきたのは、少年漫画のテーマでもある「友情 努力 勝利」という言葉ですね。それがしっくりくるような作品でした。
加えて、「友情 努力 勝利」の逆もしっかり描かれているからこそ、これら3つのワードがより輝く。例えば、3人の繋がりがあやふやになるような場面だったり、ドラムの玉田の最初、何にも打ち込めていないような状態だったり、凄腕のピアニスト・雪祈の挫折だったり。
その内容を語るに足る表現。映像、音楽、もちろん声優陣の演技力もそうです。素晴らしかった。
何をどういう意図でどのように表現するか?それがこの作品ではしっかりと体現されていたように思います。
最後の場面では「友情 努力 勝利」の先にあるものが、また巧みに描かれている、情熱を持って。
ぜひまたそこに至るまでの道のりを辿っていきたい。普通に言えば、もう一度この作品を今度は、僕は配信で見たんですけど、きちんと劇場で、機会があれば観てみたいな。
今回は映画『BLUE GIANT』について綴ってみました。次回は映画『アメリカン・フィクション』の予定です。以下に「次に鑑賞するなら」を並べてありますので、よかったらご覧くださいませ。
次に鑑賞するなら
上原ひろみ-Deep Into The Night
僕の好きな1曲です。
SUPER BUTTER DOG – サヨナラCOLOR
こんな方におすすめかも
- 作中の3人みたいに新しい門出を迎えて、気持ちを前向きにしていきたい。
宇多田ヒカル『君に夢中』
こんな方におすすめかも
- 「友情 努力 勝利」の先にあるものって?
BEASTARS 1 -板垣巴留(著)
こんな方におすすめかも
- 違うベクトルの作品で胸が熱くなるものありますか?